migakiba oaraiのイメージ写真。夕日をバックに、中心には大洗海岸の岩礁に立つ大洗磯前神社の神磯の鳥居、そして岩礁の海の風景が広がっています。

03: 関東・茨城県東茨城郡大洗町

楽しむことができる地域、
持続可能はそこからはじまる

大洗町のテーマは「海と陸をつなぐ循環」。海水浴場、サーフィンのスポットで有名な大洗町で、観光の視点だけではなく、環境の視点で捉え、大洗町から実践・発信できることは何なのか。そして、資源や課題を海だけで捉えるのではなく、海で起きている問題はどこから起きているのかを参加者とともに捉え直してみたいと考え、テーマを設定しました。

参加者は6チーム25名。首都圏からの参加者のみならず、テーマで選んだという北海道在住のチームも参加してくれました。同僚や企業横断チームとさまざまな個性が集まるなか、ウェビナー後の放課後雑談にも多くの方が残ってくれるなど、コミュニティが生まれていたのが大洗チームの特徴でした。また、これまで大洗に関わりがなかった参加者にも地域に飛び込んでもらえるよう、地域のハブとなっているプレイヤーとともに運営体制を構築。追加でのフィールドワークや個別での質問に対しても、関連する地域のプレイヤーへの接続を行うことができました。

フィールドワークでは、参加者が当初、予想していた「地域の課題」との乖離に気づく場面が印象的でした。現在は観光産業で成立している大洗町において、改めて何を提案すればよいのか、課題をどう紐解き、地域資源を活かしていけばいいのか。参加者の心が揺らいでいることを感じました。

いわゆる衰退する地域を盛り上げるようなアイデアから、この地域に生きる人たちとともに、地域外から訪れる人たちも持続可能な地域づくりに参加できる取り組みのアイデアへ。経済を動かしながら環境への意識を育てていくために、大洗町を活用するという発想で具体的プランを考えてきました。

運営チームが醸し出すウェルカムな雰囲気もあってか、参加者のみなさんが次第に、大洗のファンになっていったことも印象的でした。地域が継続的に関わることができる余白をつくることで、参加者それぞれに自分が関わる地域としての認識が生まれ、通り一遍の地域ではなく、自分の友人・知り合いがいる地域へと変化していったように思います。またプログラムを通して、自分が心理的に安全だと思える地域、そして地域づくりや環境について話せる場所として捉えてもらえたことが、一番ありがたいことだと感じています。

写真:migakiba oaraiの現地事務局代表、鈴木高祥さん

事務局代表

株式会社カゼグミ 代表取締役

鈴木 高祥

現地事務局・メンター

写真:migakiba oaraiの現地アドバイザー、光又新二さん

光又 新二

NPO法人 大洗海の大学/
大洗サンビーチキャンプ場 事務局長

写真:migakiba oaraiの現地チーム、栗原敬太さん

栗原 敬太

風にころがるTシャツ展 代表

Fieldwork見てきた場所

大洗サンビーチキャンプ場からスタートした大洗のフィールドワーク。海から吹いてくる気持ちのよい風を感じながら、メンターの光又新二さんと栗原敬太さんから大洗の歴史や産業、地域コミュニティで展開されている活動など多岐にわたるお話を伺った後は、ビーチを散策。夕方には地元のクラフトビールを提供する醸造所で親睦を深めました。2日目の朝、急遽開催されることになった磯浜古墳群のツアーは、大洗が時代ごとに、日本の中央や他国と海を通じて築いてきた複層的な関係を長い時間軸で認識する機会となりました。午後は、建築事務所兼カフェ「焚火と本」でコーヒーを飲みながら、町のキーパーソンとの対話を通して、参加者一人ひとりが地域に対する理解を深めました。

夕方時、大洗の美しい海を背景にフィールドワークに参加したメンバー16名が前後2列で写っている。
大洗の海を背景に、マジックアワーを捉えた参加者の集合写真
写真の左側には磯浜古墳群のツアーの参加者が古墳の上から大洗の海を眺める様子。写真の右側の奥には大洗の海が覗いており、手前には大洗の街が広がっています。
磯浜古墳群のツアーにて、古墳の上から大洗の海を眺める参加者

Lecturer話を聞いた人

大洗ではテーマ講師として、大洗町の老舗梅干し店「吉田屋」の八代目である大山壮郎さんをお招きし、通常プラスチックが使われることの多い梅干しのパッケージを、梅干しの酸に負けない紙袋に代替し、CO2の70%削減を実現したSDGsパッケージ事業や、海を海水浴という活動の場からリラクゼーションの場へと価値を転換する砂浜図書館事業などについてお話を伺いました。また、環境省の鎌倉真奈さんには環境講師として、海洋プラスチック問題の全体像を、マテリアルや社会的慣習、法整備や国際関係など、さまざまな角度から紐解いていただきました。

写真:migakiba oaraiのテーマ講師、吉田屋 八代目 大山壮郎氏

テーマ講師

大山 壮郎

吉田屋 八代目

写真:migakiba oaraiの環境講師、環境省 水・大気環境局 水環境課  海洋プラスチック汚染対策室 係員 鎌倉真奈氏

環境講師

鎌倉 真奈

環境省 水・大気環境局 水環境課海洋
プラスチック汚染対策室 係員

Presentation現地報告会

「海と陸をつなぐ循環」をテーマに、5回のウェビナーを通して地域を見つめ、これからの循環のあり方を捉え直してきた大洗エリア。14時からスタートした現地報告会では約3ヶ月かけて磨き上げた全6チームのプロジェクトが披露されました。今回の開催はオンラインとオフラインのハイブリッド形式。大洗町のコワーキングスペース「ARISE」会場からの配信を中心に、地域のステークホルダーと一般公募の視聴者、合計20名程がオンラインに集いました。ゲストコメンテーターは、茨城県を中心に企業のブランディングを支えるデザイン会社の代表取締役・笹目亮太郎さん。SDGsに絡んだ数々のプロジェクトを伴奏した経験から各プロジェクトへコメント、それからは事務局とのトークセッションにご参加いただきました。
前半の発表パートでは、個性豊かなメンバーがそれぞれの思い描く「循環」を披露。どの案もウェビナー5からの短期間でかなりブラッシュアップされ、見応えのある発表でした。後半のトークセッションパートでは、笹目さんと現地事務局の鈴木さんを中心に、地域における循環について意見を交換しました。発表中もチャット欄が賑わい、大洗エリアの現地報告会は終始和気藹々とした雰囲気で幕を閉じました。

ゲストコメンテーターが会場にてコメントしている様子
会場「ARISE」での様子
笑顔で参加者が写っている様子
オンライン参加者による集合写真