migakiba mitoyoのイメージ画像。三豊の父母ヶ浜の水面に太陽と雲が鏡のように反射する風景が写っています。

06: 中国四国・香川県三豊市

新しい地域経済の仕組み、
食文化を通じた持続可能性。

2022年度プログラム

瀬戸内海の自然環境や農産物に恵まれた香川県三豊市。今回事務局を務めたのは、「瀬戸内から世の中を面白く照らし、かろやかな社会をつくる」を理念に掲げ、教育メディア事業を手掛けるスタートアップ企業「瀬戸内サニー株式会社」です。migakiba三豊のテーマは「食が結びなおす社会の仕組み」。食育や食文化継承を起点に、地域循環にかかわる多様な事業が生まれている三豊をフィールドワーク先とし、持続可能性を考える入り口として食を捉える新たな事業づくりを目指しました。

テーマに集まったのは、日本全国から7チーム22人。他地域のローカルスタートアップから、大手食品メーカーや管理栄養に関わる企業、また自治体や教育機関で活動する職員と、多様なメンバーで構成されたチーム。他地域よりも20代の若手メンバーが多く、食を中心としながらも柔軟な発想や新たな視点が混じり合うことになりました。

弊社もちょうど三豊市教育委員会と連携した教育事業を進めようとしていたタイミングだったこともあり、migakibaメンバーにも三豊でプロジェクトを生み出して欲しいという気持ちで、メンターの方々に助けて頂きながら、地域を案内しました。フィールドワークでは、圧倒的な当事者意識を持って事業を手掛ける地域の方々の熱量に触れてもらうことで、「自分が本気でやりたいことはなんなのか」という内省の機会をつくりました。

現地報告会は、父母ヶ浜のすぐそばにある薪火グリルと団欒を目的とした体験型宿泊施「ku;bel」の心温まる空間で開催。ゲストとして、UDON HOUSE代表の原田佳南子さん、ku;belオーナーの浪越 弘行さん、三豊市教育委員会センター長小玉祥平さん、地域の物語を残す百歳書店の店主である今川亜由美さんをはじめ、オンライン、オフラインでご参加をいただき、さまざまな学びが創発されていきました。

若手を中心としたチームだったからこそ大きな成長が見られたのがmigakiba三豊の特徴。150日間を通じて、学びを自分たちなりに解釈して取り入れ、さらに磨きをかけれていた吸収力が際立っていました。現地報告会の翌日には実証実験的にイベントを開催しているチームもいて、行動力も素晴らしかったです。事業構想を実現するべく引き続き行動してくれれば、これほど嬉しいことはありません。

写真:migakiba mitoyoの現地事務局代表、大崎龍史さん

事務局代表

瀬戸内サニー株式会社代表取締役社長・YouTuber

大崎 龍史

現地事務局・メンター

写真:migakiba mitoyoの現地事務局代表、溝端直毅さん

溝端 直毅

株式会社MATCHA 編集者

写真:migakiba mitoyoの現地チーム、森さくらさん

森 さくら

食と旅のコーディネーター

Fieldwork見てきた場所

瀬戸内の豊かな自然資源を体感した1泊2日のフィールドワーク。初日は、紆余曲折を経て絶大な人気を誇る観光スポットとなった父母ヶ浜を散策し、地元ボランティアの方々や地元商店のお話を伺いました。その後、地域文化・芸術を発信する元酒蔵の「三豊鶴」にて、期間限定の「地域食文化継承レストラン」にて食を通じた文化を体験。鮮魚店のいりこラーメンを朝食に始まった2日目は、うどん食文化を発信するUDON HOUSEでお話を伺った後、少量多品種生産をする農家さんを自由参加で訪問。地に湧き出る豊かな文化を目で耳で舌で感じるフィールドワークを終えました。

フィールドワーク一日目に三豊鶴にて、北川さんのお話を聞いた時の写真です。代表の北川さんをはじめ、5名の地域の方が結託し、約140年の歴史を持つ元酒蔵を新たな観光拠点「三豊鶴」として改造しました。
三豊鶴にて代表の北川さんのお話を伺う
フィールドワークの訪問先であるUDON HOUSEの前で、7チーム22名の参加者と事務局が写っています。地域の方々からはもちろん、他のチームとの交流から良い刺激を受け合いました。
UDON HOUSEで集合写真

Lecturer話を聞いた人

オリエンテーションでは、瀬戸内うどんカンパニー株式会社代表の北川智博さんをテーマ講師としてお迎えし、豊かな食文化を通してつくり手と消費者をつなぐストーリーの紡ぎ方や小さなトライを重ねる土壌の育み方についてお話を伺いました。環境講師としては、株式会社ウルトラ今川代表取締役である今川宗一郎さんをお招きし、町の歴史を受け継ぎながら住人がいかに景観を守っていくのか、住人自身がつくる理想暮らしやコミュニティの育み方についてお話をいただきました。

写真:migakiba mitoyoのテーマ講師、瀬戸内うどんカンパニー株式会社 代表 北川智博氏

テーマ講師

北川 智博

瀬戸内うどんカンパニー株式会社
代表

写真:migakiba mitoyoの環境講師、株式会社イマガワ取締役 株式会社ウルトラ今川代表取締役 今川宗一郎氏

環境講師

今川 宗一郎

株式会社イマガワ取締役
株式会社ウルトラ今川代表取締役

Presentation現地報告会

150日間を通して磨き上げてきたプロジェクト案を、地域のみなさんに向けて発表するハイブリッド形式の現地報告会。三豊エリアでは、薪火グリルのある温かな空間であるゲストハウス「ku;bel」にて、地域テーマであった「食」を起点にした地域循環共生圏に基づくアイデアを発表しました。現地の事務局長やメンターに何度もディスカッションを重ねてつくり出したアイデアを通して、チーム同士や地域のみなさんとのコラボレーションが生まれ、まさに創造とは共創であることを感じるセッションになりました。発表を終えると、ゲストコメンテーターであるUDON HOUSE代表の原田佳南子さんを交えてのトークセッションへ。migakibaで一番大変だったことなどこれまでのプロセスを振り返りながら、次の一歩をどう進めるか、建設的な意見を出し合いました。穏やかな三豊の空気に包まれ、和気藹々と温かな雰囲気で幕を閉じました。

現地報告会の会場であるゲストハウス「ku;bel」で、オンラインをつなげて参加者とゲスト皆さんで撮った集合写真です
暖炉のある温かな雰囲気の会場で、オンラインを繋げてハイブリッド形式で実施
参加者の発表を受けて、メンターがフィードバックをしている様子です
ゲストやメンターからは熱いご意見や次の一歩を踏み出すためのアドバイスも