migakiba kitakaruizawaのイメージ画像。浅間山と紅葉する樹林が写っています。

03: 関東・群馬県長野原町北軽井沢

地域未来の創造は同質の志をもつ仲間やエリアとの交流から

2022年度プログラム

有限会社きたもっくは活火山浅間山北麓にある群馬県北軽井沢で3次産業(キャンプ場、企業研修施設)から1次産業(自伐林業、養蜂業、薪製造業等)まで包摂しながら地域未来の創造にチャレンジしています。多様な事業を展開していますが、すべての事業の根っこにあるのは自然と人のあるべき関係性です。それを私たちはルオム(自然に従う生き方)と呼んでいます。この思想を基盤に、絵に描いた餅に終わらせない手触り感のある事業構築に向けて日々、地域の風土、文化、人々に向き合っています。

その歩みのなかで大切だなと感じるポイントはいくつもありますが、そのひとつが同じ質の志をもって他地域の未来づくりに携わっている方々との交流です。今回、私たちと一緒に過ごした仲間は、広島県久比、群馬県渋川、山梨県富士見、神奈川県真鶴、千葉県銚子、群馬県水上の地域未来の創造に真剣に向き合っている方々。私たちが実践しているプロセスやその根っこにある思想や思考のスタンスを共有しながら、それぞれの地域、そして翻って北軽井沢の未来につなげようと密度の高い対話を150日間、繰り広げました。

膨大な資料、壮大な神話を経て、自分達の強みを活かしたものに着地したチーム
派手な空中戦から、周りに触発されて、リアルで見事な地上戦を展開したチーム
パッションの探りあいをし続け、ぶつけ合い、統合を果たしたチーム
空中分解スレスレを通過しながら、素敵なストーリーで紡ぎなおししたチーム
既存の働く場所を本気で地域と絡ませ、手触り感溢れるものに仕上げたチーム
これから事業を展開するうえで羅針盤となるような言葉をいくつも生み出したチーム
150日間で事業構想そのものが変わり、質も変わり、チームの空気感も変わりました。その変容を目の当たりにして、私たちも刺激を受け、変わることができました。
私たちは、事業に向き合う、つくる、歩み続ける、というのは、ひとと向き合い、同じ方向をみることだと考えています。migakibaというステキな機会を得、偶然知り合えた仲間、地域とこれからも同じ方向をみながら歩んでいければと思っていますし、それがそれぞれの地域の未来につながることを確信しています。このようなご縁を紡ぐ機会を与えてくれたmigakibaに感謝します。

写真:migakiba kitakaruizawaの現地事務局代表、土屋慶一郎さん

事務局代表

きたもっく事業戦略室 室長
フィールド事業部長
-事業構想修士-

土屋 慶一郎

現地事務局・メンター

写真:migakiba kitakaruizawaの現地アドバイザー、福嶋淳平さん

福嶋 淳平

有限会社きたもっく
地域資源活用事業部長

写真:migakiba kitakaruizawaの現地チーム、日月悠太さん

日月 悠太

百年センター マネージャー

Fieldwork見てきた場所

東京、京都、広島、群馬、神奈川など各地からの参加者が集った1泊2日のフィールドワーク。1日目はガイドツアー形式で、きたもっくの山林や薪製造所などをはじめ、地域産業にまつわる場所を見学しました。また、長野原町町長によるバイオマス産業都市構想についての講演を受けた後、焚き火を囲みながら参加者と事務局が混ざって語り合う時間となりました。2日目は狩宿集落と地産住宅の見学の後、きたもっくの会長でありテーマ講師も担当いただいた福嶋誠さんによるレクチャーを受け、メンタリングを実施。フィールドワークを踏まえた上での各チームの興味関心やそれぞれの視点を共有することができました。

フィールドワーク参加者が霧雨の中できたもっくの森に生えている広葉樹について、説明を聞いている様子です。
きたもっくが保有する山林を見学している様子
フィールドワークの集合写真です。6チーム23名が参加しました。フィールドワークやメンタリング中には、質問や参加者同士の交流が活発に行われ、互いに良い刺激を受け合いました。
TAKIVIVAでの集合写真

Lecturer話を聞いた人

オリエンテーションでは、テーマ講師である福嶋誠さんが長年、きたもっくの経営の心得とご自身の体験を通して構築した「地域主体方法論」をもとにお話いただきました。キャンプ場経営という三次産業から始まり、その時々の状況とニーズに合わせて次々と新規事業を創出し続け、結果として6次産業にまで発展してきたその根幹にはフィンランド語で「自然に従う生き方」を意味する「ルオム(luomu)」という考え方があり、自然が恵みにも脅威にもなり得ることを前提にしているというお話がとても印象的でした。
また、環境講師の百瀬旬さんからは、自身が震災後の気仙沼市で取り組まれている「東北未来創造会議」や「気仙沼主催の経営塾」といった地域のイノベーションを創発する数々の取り組みをご紹介いただくなかで、その地域の生態系に目配せしながらも、そこに存在するコミュニティに対していかにアプローチすべきかについてお話しいただき、参加者にとっては学びと示唆に富む2時間となりました。

写真:migakiba kitakaruizawaのテーマ講師、北軽井沢観光協会 会長 福嶋誠氏

テーマ講師

福嶋 誠

北軽井沢観光協会 会長

写真:migakiba kitakaruizawaの環境講師、デロイトトーマツ合同会社 Just do it!! 地域イニシアチブ 代表 百瀬旬氏

環境講師

百瀬 旬

デロイトトーマツ合同会社/
Just do it!!
地域イニシアチブ 代表

Presentation現地報告会

北軽井沢の現地報告会は、現地事務局の有限会社きたもっくが運営するTAKIVIVAにて、オンラインとオフラインのハイブリッド形式で実施しました。各チームの発表からは、ラストスパートで何度も資料を見直し、発表内容を洗練させた努力の跡が見受けられ、その熱い思いと連動した解像度の高さが印象的でした。
各チームの発表後には、当報告会でゲストコメンテーターを務めていただいた福嶋誠さん、百瀬旬さん、特別ゲストとして飛び入り参加いただいた株式会社つるエネルギー代表取締役の鹿島健さん、そして現地事務局メンバーとして当プログラムを一貫して伴走いただいた土屋慶一郎さんと日月悠太さんによるトークセッションを行いました。鹿島さん、福嶋さん、百瀬さんには地域事業に取り組む際の心得やコツを、それぞれの実体験を交えてお話しいただいた上で参加者のみなさんに的確な助言をいただき、土屋さんには「今の社会の抱えている問題と正面から向き合っていくプロジェクトばかりで、難易度は高いがものすごく意義のあるプロジェクトが多いと実感した」と総括していただきました。
最後に、鹿島さんから、これからまた新たなスタートを切る参加者のみなさんに向けて「みんなで共通のものを見る力を大切に」「答えを探すのではなく浮かび上がったものを感じ取る」という至言をいただき、北軽井沢の現地報告会は終了となりました。

北軽井沢現地報告会の会場TAKIVIVAで、参加者が発表しています。ゲストコメンテーターおよび事務局一同は、発表者のプレゼンテーションを真剣に聞いている様子です。
現地参加者が発表している様子
参加者のプレゼンテーションを聞いたあとに、コメンテーター兼テーマ講師の福嶋誠さんがフィードバックをしている様子です。
福嶋誠さんによる参加者の発表へのフィードバック