migakiba urumaのイメージ画像。うるまの浜辺と青い海で、10数名ほどが手を上げている風景が写っています。

07: 九州・沖縄県うるま市

島人と探るこれからの豊かさ

2022年度プログラム

沖縄の昔ながらの風景や暮らしの残る島しょ地域が魅力のうるま市。戦後復興はじまりの地であり、N高等学校の本校が置かれるなど、ゼロイチが生まれる豊かな物語に溢れる一方、子どもの貧困や空き家の増加といった社会課題も山盛りです。今回は、そんな沖縄の光や影に、それぞれ志をもって取り組んでいる地域人材に出会い、彼らの暮らしや価値観から「これからの豊かさ」をともに探究することをテーマとしました。

うるまの参加者は、4チーム13名。沖縄生まれ育ちの参加者も3名いる一方、フィールドワークが人生初沖縄という参加者も。現地事務局は、「豊かさを分かち合える、逞しくて優しい経済循環を沖縄から生み出す」ことを目指す、うむさんラボの比屋根・山川と、「100年後のうるまをつくる」ことを理念に掲げるプロモーションうるまの田中が担当。さらに、フィールドワークでは合計5ヶ所の、それぞれ豊かな物語を有する地域人材の活動拠点を巡りました。

10月のフィールドワークでは、廃校が生まれ変わった宿泊滞在型ワーケーション拠点施設をメイン会場に、地域団体が空き家を100%DIYでリノベしたコミュニティ食堂や、親の生家を生まれ変わらせた宿&喫茶、100年続く共同売店や子どもたちの第3の居場所といった、地域人材の想いが結実した拠点を訪問。もちろん、沖縄ならではの美しい海でのマインドフルなひとときも楽しみながら、「豊かさってなんだろう」「自分の目指す生き方やあり方って?」を自問する時間を重ねていきました。さらにオンラインセッションでは、思い描いたプロジェクトが「誰のどんな課題にアプローチするのか」「本当に自分たちはワクワクしているのか」といった本質を深ぼり、試行錯誤・紆余曲折を繰り返していきました。

2月の現地報告会の会場は、「これからの豊かさ」というテーマにふさわしく、フィールドワークでも訪れた島のコミュニテイ食堂。なんと参加者13名全員がうるまにリアルに帰ってきてくれました。どのチームもオンラインセッションで語られていた内容から相当に飛躍し、地域にも、そして自分たち自身にも新しい価値を創出する事業アイデアが次々と発表されました。うるまというひとつのコミュニティに留まらず、まさに地域循環共生圏を育むことのできる可能性を感じたこと、そしてそれらの出発点がいずれも地域人材との出逢いに起因していたことが、地域にも豊かな感情をもたらしてくれたと感じています。

写真:migakiba urumaの現地事務局代表、比屋根隆さん

事務局代表

株式会社うむさんラボ代表取締役/
株式会社レキサス代表取締役

比屋根 隆

現地事務局・メンター

写真:migakiba urumaの現地事務局代表、山川伸夫さん

山川 伸夫

株式会社うむさんラボ 取締役

写真:migakiba urumaの現地チーム、田中啓介さん

田中 啓介

一般社団法人プロモーションうるま 理事

Fieldwork見てきた場所

沖縄県内外から参加者が集った1泊2日のフィールドワーク。初日は拠点となるHAMACHUに集合し、顔合わせからスタートしました。午後はあごーりば食堂・アガリメージョーにてそれぞれお話を伺った後、夕暮れ時には浜を訪れ、夜は地元のこだわりの食や泡盛を囲み「豊かさ」について語り合う時間となりました。2日目は朝から伊計島共同売店の訪問し、昼はからふる田場にて子供たちと交流。「沖縄の光と影」を現場から体感しました。最後にはチームごとにフィールドワークでの気づきや学びを共有し、次回のアクションにつなげるフィードバックにて終了しました。

二日目に伊計島共同売店にてお話を聞いた時の写真です。お店の奥にある休憩スペースにて、愛と希望の共同売店プロジェクトの活動をしている小林さんのお話に、参加者が聞き入っています。
伊計島共同売店にて「愛と希望の共同売店プロジェクト」のお話を伺う
フィールドワーク最終日の集合写真です。4チーム12名の参加者に加え、全体事務局、現地事務局、TA、環境省の方も含めて総勢19名が写っています。笑顔でうるまのMのポーズをしています。
沖縄IT津梁パークにて集合写真

Lecturer話を聞いた人

オリエンテーションでは、「100年後のうるま市をつくる」という理念のもとで活動されている、プロモーションうるまの田中啓介さんに「0→1の物語が紡がれるうるまで探究するこれからの豊かさとは」というテーマで、自らが手掛ける創造的ワーケーションプログラムなどの事例をお話いただきました。環境講師として迎えた株式会社マナティ代表取締役の金城由紀乃さんには「沖縄から発信する新しい生き方。環境にも自分にも優しい未来への挑戦」というテーマで、ご自身が環境問題に目を向けるきっかけから実際にどう行動へと移していったのかについてお話いただきました。

写真:migakiba urumaのテーマ講師、一般社団法人プロモーションうるま 理事 田中啓介氏

テーマ講師

田中 啓介

一般社団法人プロモーションうるま 理事

写真:migakiba urumaの環境講師、株式会社マナティ 代表取締役 金城由希乃氏

環境講師

金城 由希乃

株式会社マナティ 代表取締役

Presentation現地報告会

2月11日、祝日の朝10時よりうるまの現地報告会が開催されました。県外からは前泊が必須な日程にもかかわらず、全4チーム・全メンバーが現地会場に集い熱気に包まれました。会場はフィールドワークの中でも訪れた宮城島のあごーりば食堂。うるまのテーマ「島人と探るこれからの豊かさ」を起点に、自分たちの価値観を見つめなおし、フィールドワーク以外でも積極的にインタビューや現地のプロジェクトに関わり、「豊かさ」の言語化に取り組んでいた姿が印象的でした。
会場には現地事務局をはじめ、ゲストコメンテーターの河野こずえさん、来賓にはうむさんラボの大西克典さん、島嶼地域で実際に暮らしながら豊かさを探求する田淵将也さん、他にもフィールドワークでお世話になった共同売店の小林未歩さんやアガリメージョーの真栄里良人さんが駆けつけてくださり、オンラインからは、ディレクターの神尾とTAの小松崎さん、そして、からふる田場の平林勇太さんが参加。各チームへのフィードバック、そしてトークセッションも参加者からの質問を交えながらインタラクティブに行われました。
沖縄らしい民家の雰囲気が残る会場の軒先では朝からこども食堂が行われており、報告会後はみんなで沖縄そばを囲み、三線の演奏で歌い、カチャーシーを踊るという「これからの豊かさ」の体感が詰まった1日となりました。

会場のあごーりば食堂で、参加者全員で集合写真を撮影した際の様子です
参加者が全員現地に集まったうるまでは、発表会後にみんなで集合写真を撮影
会場のあごーりば食堂で、チームの発表を受けてゲストコメンテーターの河野こずえ氏がコメントしている様子です
うるまの豊かな暮らしを象徴するあごーりば食堂での、ゲストコメンテーターの河野さんからフィードバック